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経営セーフティ共済(倒産防止共済)は節税に有効?デメリットは?

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経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、中小企業の連鎖倒産を防ぐための制度です。
国の機関である中小機構が運営しています。

掛金の全額を経費にできる点と、無担保・無保証の借入れができる点が特徴です。
ただし、解約のタイミングなど気をつけなければいけないこともあります。

節税しながら、いざという時の資金調達にも備えることができますので、検討してみてはいかがでしょうか。

中小機構は、「経営者の退職金制度」として、小規模企業共済という制度も運営しています。
こちらも、税金面で優遇された制度ですので、あわせて検討してみてはいかがでしょうか。

小規模企業共済で上手に節税しよう!メリット・デメリットは?

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の加入条件

加入できる条件は、継続して1年以上事業を行っている会社または個人事業者です。
また、中小企業が対象ですので、業種によって、資本金の額・従業員の数の上限が決まっています。

  • 資本金の額が5,000万円以下
  • 従業員の数が50人以下

のどちらかにあてはまれば、業種にかかわらず加入することができます。
ですので、小規模の会社であれば、ほとんどの場合当てはまるでしょう。

医療法人、NPO法人などは、加入できませんので、注意しましょう
それと、

  • 事業にかかわる経理の内容が不明の場合
  • 納付すべき所得税または法人税を滞納している場合

などについても、加入できません。
つまり、経理ができていない、税金を滞納している場合などは、加入できないということです。

少し話はそれますが、

  • 経理ができていない
  • 申告していない
  • 税金の滞納

ということになると、

  • 公的な制度を利用できない場合がある
  • 銀行の融資が受けられない場合がある
  • 取引の与信にひっかかる場合がある
  • 税務調査のターゲットになりやすい

など、デメリットしかありません。

ですので、事業をする以上、会計や税金に向き合うことは必須になります。
ご自身で経理や申告をするのが大変であれば、税理士を上手に活用しましょう。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)のメリット

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、節税と資金調達で大きなメリットがあります。

  • 掛金の全額が経費になる
  • 無担保・無保証の借入れができる

掛金の全額が経費になる

掛金は、5,000円から20万円までの範囲で選ぶことができます。
掛金の積み立ては、800万円が限度になります。

掛金は、全額を経費にすることができます。
定期預金の積み立てや、保険の積み立ての場合、全額を経費にすることはできませんので、税金上大きなメリットになります。

さらに、前払ができますので、決算日(期末日)までに前払いで1年分を支払った場合は、その前払い分の全額を経費にすることができます。
掛金の月額の最高が20万円ですので、最大で240万円(20万円×12カ月)の前払い金を経費にすることができます。

ただし、気をつけなければいけないのは、前払いする期間です。
前払いする期間は、必ず1年以内にしましょう。
もし、前払いする期間が1年を超えてしまうと、翌年度分の掛金は、経費になりません。

例えば、3月が決算月の会社で、3月に翌年度の4月分から1年間分の前払いをした場合は、前払いした全額が、当年度の経費になります。
ですが、1年1ヶ月分の前払いをした場合は、前払した分については、まったく当年度の経費になりません。

無担保・無保証の借入れができる

倒産防止共済は、取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐ制度です。
ですので、取引先が倒産した場合、掛金の積み立ての10倍を限度として、借入れをすることができます。
さらに、取引先が倒産した場合でなくても、一次貸付金制度と言って、短期の借入れをすることもできます。

無担保・無保証、かつ、銀行よりも早く借りることができます。
いざという時の資金調達として活用しましょう。

取引先が倒産した場合

取引先が倒産した場合、

  • 掛金の積み立ての10倍
  • 取引先の倒産による被害額(回収できなくなった売掛金などの金額)

のいずれか少ない金額の借入れをすることができます。
ここでいう「倒産」には、夜逃げは含まれていませんので、注意しましょう。

返済期間は、借入額に応じて5年~7年になります。
さらに、6カ月の据置期間が設けられています。据置期間というのは、元本を返さなくてもいい期間のことです。
例えば、5年(60カ月)の返済期間の場合ですと、最初の6カ月は元本を返さずに、残りの54カ月で返済することになります。

ただ、利子については気をつけましょう。
無利子となっていますが、借入金額の10%が掛金の積み立てから減らされてしまいます。
ですので、実質的には利子はかかっています。

一次貸付金制度

取引先の倒産でなくても、解約手当金の95%の範囲内で、短期の借り入れができます(一次貸付金といいます)。

返済期間は1年と短く、期日に一括で全額を返済することになります。

この場合には、利子の支払いが必要になります。
ですが、0.9%と低金利です(金利は、情勢等により変わります)。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)のデメリット

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)のデメリットを確認しましょう。

  • 解約手当金が収益になる
  • 借入れは、実質的には無利子ではない
  • 12カ月未満で解約した場合は、掛捨てになる
  • 40カ月未満で解約した場合は、元本割れになる

解約手当金が収益になる

解約した場合、解約手当金をもらうことができます。
解約手当金は、掛金の納付期間が40カ月以上であれば、掛金の全額が戻ってきます。

受け取った解約手当金は、収益になります。
ですので、黒字の時に解約手当金を受け取った場合、その分だけ税金が増えてしまいます。

支払った掛金の全額が経費になっても、受け取った解約手当金が収益になるのであれば、トータルで見ればトントンになります。
これでは、税金がかかるタイミングを遅らせているだけで、トータルで見れば節税になっていませんよね。

ですので、解約するタイミングが大切になります。
一番いいタイミングは、大きな赤字が出たときでしょう。
大きな赤字が出るときに解約すれば、赤字と解約手当金の収益が相殺されますので、税金が増えるのを抑えることができます。

借入れは、実質的には無利子ではない

取引先が倒産した場合の借入れについては、無利子となっています。
ですが、借入金の10%が、掛金の積み立てから減ってしまいます。
掛金の積み立てが減るということは、将来もらう解約手当金が減ってしまいます。
ですので、実質的には、利息を払っているのと同じということになります。

12カ月未満で解約すると掛捨てになる

12カ月未満で解約した場合は、戻ってくるお金はありません。
つまり、掛捨てになってしまいます。

ですので、最低でも12カ月間は掛金を納付するようにしましょう。

40カ月未満で解約すると元本割れになる

40カ月未満で解約した場合、戻ってくるお金は、掛金よりも低くなってしまいます。
つまり、元本割れになってしまいます。
例えば、掛金の納付期間が24カ月の場合ですと、掛金の85%しか戻ってきません。

ですので、無理のない掛金で積み立てていくことをオススメします。

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石水 克一

石水 克一

大阪市中央区本町の日本政策金融公庫の創業融資に強い税理士です。 起業家支援に特化した代表税理士が担当者となり、お客様の近くに寄りそって、しっかりと経営サポートをします!
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