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借り上げ社宅で会社も個人も節税!自己負担額は広さによって変わる?

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法人が借り上げ社宅を導入することにより、社長の手取りを大きくアップさせることができます。
ですが、導入にあたっての手続きや社長の負担額の決め方など、気をつけることがいくつかあります。

そこで今回、借り上げ社宅のポイントをまとめてみました。

借り上げ社宅とは

借り上げ社宅とは、会社が大家から家・マンションなどの住居を借りて、それを役員・従業員に貸し出すことです。

役員・従業員は、自分で借りるよりも小さい負担で住むことができます。
ですので、会社の福利厚生という位置づけになります。

個人事業主本人は、借り上げ社宅を利用できない

法人であれば、一人社長であっても借り上げ社宅の制度を利用することができます。

個人事業主本人については、借り上げ社宅の制度を利用することができません。
ただし、個人事業主が雇用する従業員については、利用することができます。

借り上げ社宅のメリット

借り上げ社宅を活用することにより、家賃の約80%を会社の負担にすることができます(具体的な計算は、後述します)。
社長は家賃の約80%を生活費から払わなくてもよくなるので、その分だけ実質的な手取り収入を増やすことができます。

例えば、社宅の家賃が15万円の場合ですと、12万円(15万円×80%)を会社の負担にできます。
その結果、社長は毎月12万円の実質的な手取り収入を増やすことができます。

会社としても、家賃の約80%分を経費にできますので法人税を減らすことができます。

ただ、会社側は、役員報酬とは別に家賃の約80%を毎月負担することになるので、利益が圧迫されてしまいます。
借り上げ社宅を導入したために、赤字転落になってしまうと、銀行融資などにも大きく影響します。

そういった場合は、役員報酬を減らすことを検討しましょう。
そうすることで、会社への利益への影響を小さくできるとともに、社長の所得税・社会保険料を減らすことができます。

会社名義での賃貸借契約、会社の社宅規程の作成

借り上げ社宅の大前提は、会社名義での賃貸借契約にすることです。

ですので、現在住んでいる物件を借り上げ社宅にする場合は、大家さんと会社の賃貸借契約書を作り直すようにしなければなりません。

法人契約の際に気をつけたいのは、用途を「居住用」にするということです。
事務所契約にしてしまうと、家賃に消費税が上乗せされてしまいます。

さらに、会社の社宅規程を作成しましょう。
借り上げ社宅は、会社と社長の内部の取引になります。
ですので、社宅規程を作成して、個人の家賃の負担額などを明確にすることが必要です。

借り上げ社宅の節税の効果が大きい物件の広さ

借り上げ社宅は、家賃の約80%を経費にすることができます。
ですが、社宅が「小規模な住宅」であることが条件になります。

小規模な住宅というのは、

  • 木造の場合、床面積132㎡以下
  • 木造以外の場合、床面積99㎡以下

であることです。
マンションなどの場合は、共用部分を含めて判定します。

これよりも広い社宅の場合は、家賃の50%以下しか会社の負担にすることができません。
さらに、豪華社宅と判断されるものについては、節税の効果はありません。

社宅家賃の自己負担額の計算式

99㎡以下(木造の場合は132㎡)の社宅家賃の自己負担額の計算式は、次の1~3の合計となります。

  1.  家屋の固定資産税の課税標準額×0.2%
  2.  12円×家屋の床面積㎡/3.3㎡
  3. 土地の固定資産税の課税標準額×0.22%
  4. 1~3の合計

計算すると、家賃の20%ぐらいが社長の負担になることが多いです。

少し大変そうにみえますが、「固定資産税の課税標準額」と「床面積」を計算式にあてはめるだけですので、難しくはないですよ。

「固定資産税の課税標準額」は、市区町村の役所で調べることができます。

社宅家賃の消費税は非課税

社宅家賃については、消費税が非課税になります。

ですので、

  • 家賃を大家に支払ったときは、消費税は非課税仕入れ
  • 個人の負担分を受け取った時は、消費税は非課税売上げ

になります。

間違いやすいところですので、注意しましょう。

借り上げ社宅にかかる家賃以外の経費の負担

借り上げ社宅にかかる家賃以外の経費については、会社と個人のどちらが負担するのでしょうか?

契約の際にかかる礼金、敷金、仲介手数料と火災保険料については、会社の負担になります。

ただし、水道光熱費については、個人が負担すべきものとなります。
水道光熱費を会社が負担した場合には、役員報酬となってしまいますので注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

借り上げ社宅により、社長の実質的な手取りを増やすことができると同時に、法人税の負担を減らすことができます。

借り上げ社宅の導入にあたっては、何をおいても会社名義での賃貸借契約が必要になります。
さらに、「小規模な住宅」でないと、節税の効果は小さくなってしまいます。
物件の条件をよく確認しましょう。

間違いやすいのは消費税の処理です。
社宅家賃の消費税は非課税となりますので、注意しましょう。

法人だけができる節税対策として、他にも出張手当・日当の支給があります。
詳しくはこちらをご覧ください。

出張手当・日当で会社も個人も節税!相場は?いくらまで認められる?

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石水 克一

石水 克一

大阪市中央区本町の日本政策金融公庫の創業融資に強い税理士です。 起業家支援に特化した代表税理士が担当者となり、お客様の近くに寄りそって、しっかりと経営サポートをします!
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