税金

起業から2年間、本当に消費税が免除されるのか?

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消費税は赤字でも納税しなければならないため、負担感が大きい税金です。
ですので、消費税については、基本的なことを知っておかなければなりません。

実は、起業して2年間は、消費税の納税が免除されることがあります。
ですが、ある条件に当てはまると、免除されなくなってしまいます。
今回は、消費税の納税義務のしくみを詳しくみていきましょう。

消費税のしくみ

消費税は、商品の販売やサービスの提供があったときに、消費者が負担します。
みなさんも、コンビニやスーパーなどで、お客さんとして買い物をしたときに、商品代といっしょに消費税も払いますよね。

お客さんがお店に払った消費税は、どこへ行くのでしょうか?
実は、お店(事業者)がお客さん(消費者)から預かった消費税を、税務署に申告して納税します。
このとき、お店(事業者)が商品の仕入れなどで支払った消費税を差引いて納付します。
これは、仕入にかかった消費税を、売値に転嫁させないためです。

ですので、
消費税の納税金額は
「預かった消費税-支払った消費税」
で計算されます。

例えば、お店が税込108円で仕入れた商品(本体100円+消費税8円)を、お客さんに税込162円(本体150円+消費税12円)で売った場合、
消費税の納税金額は
預かった消費税12円-支払った消費税8円=4円
で計算されます。

消費税の免税のルール

事業者は、原則として、消費税を納税しなければなりません。
ですが、消費税は、取引ごとに管理していかなければなりません。1つ1つの取引について消費税を管理していくのは、かなり負担がかかりますよね。

そこで、小規模の事業者については、消費税の納税を免除されます。
具体的には、
・2年前の売上が1,000万円以下
・前年度の上半期の売上が1,000万円以下、または、給与が1,000万円以下
の両方に当てはまれば、消費税の納税が免除されます。

消費税の納税義務がある事業者を「課税事業者」と言います。
消費税の納税義務がない事業所を「免税事業者」と言います。

会社設立から2年間の消費税の免税

会社を設立した場合の消費税の納税はどうなるのでしょうか?
会社を設立した場合は、前年・2年前ともに、当然ながら売上がありません。
ですので、基本的には、会社を設立して2年間は免税事業者になります。
ですが、例外的に、免税事業者にならない場合があります。
「資本金が1,000万円以上の場合」「1期目の上半期の売上と給与がともに1,000万円を超える場合」です。

資本金が1,000万円以上の場合

資本金が1,000万円以上で会社設立をした場合は、会社設立1期目から消費税を納税しなければなりません。
ですので、消費税の納税を考えると、資本金は1,000万円「未満」にした方が良いでしょう。

1期目の上半期の売上と給与がともに1,000万円を超える場合

1期目の上半期の売上と給与がともに1,000万円を超えた場合には、2期目から消費税を納税しなければなりません。
この場合は、会社設立1期目を7カ月間以下にすることを検討しましょう。
会社設立1期目を7か月間以下にした場合は、2期目も免税事業者になります。

1年目からあえて消費税の課税事業者になったほうがいい場合

あえて1年目から課税事業者になった方がいい場合もあります。
どういった場合かというと、消費税の還付を見込める場合です。
消費税は、預かった消費税-支払った消費税で計算されるので、
支払った消費税が預かった消費税よりも多い場合は、納税金額がマイナスになります。
その場合は、消費税が還付されるのです。

免税事業者の場合、納税しなくていいのですが、還付されることもありません。
ですので、消費税の還付が見込まれる場合には、本来は免税であっても、あえて1年目から課税事業者になって、還付してもらいます。

あえて課税事業者になる場合は、事前の手続きが必要になります。
具体的には、「消費税課税事業者選択届出書」という書類を税務署に提出しなければなりません。
提出期限には、十分注意しましょう!
提出期限は、
・会社設立1期目の場合は、1期目の期末日
・2期目以降は、前期の期末日
になります。

もうひとつ注意点があります。
一度「消費税課税事業者選択届出書」を提出すると、届出後2年間は継続して消費税の申告をしなければなりません。

では、どういった場合、1年目から消費税の申告をした方がいいのでしょうか?
それは「高額の設備投資をする場合」と「輸出の売上が多い場合」です。

高額の設備投資をする場合

会社設立1年目は、多額の設備投資をする場合がよくあります。
設備投資をした場合にも、消費税はかかります(例外として、土地には消費税はかかりません)。

ですので、高額の設備投資をしたときは、
支払った消費税が預かった消費税よりも多くなって、還付が見込まれる可能性があります。

ですが、注意しなければならないことがあります。
100万円以上の固定資産を購入した場合は、「消費税課税事業者選択届出書」の届出後3年間は消費税を申告しなければならないのです。

ですので、1期目~3期目までの消費税の納税額のシミュレーションをして、3期のトータルで課税事業者になるべきかどうかを判断しなければなりません。
つまり、1期目は還付になっても、2期目と3期目の納税金額が大きくなる場合があります。
その場合は、課税事業者にならない方がいいかもしれません。
このシミュレーションは、少し難しいかもしれませんので、税理士を活用することをオススメします。

輸出の売上が多い場合

輸出の売上には消費税がかかりません。
ですが、国内の仕入については、消費税を支払わなければなりません。
ですので、輸出の売上が多い場合は、
支払った消費税が預かった消費税よりも多くなって、消費税の還付が見込まれます。
こちらは、2年目以降も還付が見込まれるでしょうから、課税事業者になるかどうか迷うことはないでしょう。

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石水 克一

石水 克一

大阪市中央区本町の日本政策金融公庫の創業融資に強い税理士です。 起業家支援に特化した代表税理士が担当者となり、お客様の近くに寄りそって、しっかりと経営サポートをします!
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