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消費税の簡易課税のメリット・デメリット 原則課税とどっちが有利か?

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消費税の計算方法は、実は2種類あります。
一つは「原則課税」、そしてもう一つは「簡易課税」です。

原則課税と簡易課税は、有利な方を選択することができます。
そのためには、簡易課税の仕組みをしっかり理解しなければなりません。

そこで今回、簡易課税の計算の仕組みとメリット・デメリットをまとめました。
原則課税と簡易課税のどちらを選ぶべきかのポイントが分かるようになります。

そもそも消費税を納税すべきかどうかは、こちらをご覧ください。

起業から2年間、本当に消費税が免除されるのか?

原則課税の計算方法

原則課税は、
【預かった消費税-支払った消費税】
で計算します。

例えば、税込165円(本体150円、消費税15円)で仕入れて、税込220円(本体200円、消費税20円)で売った場合、
預かった消費税20円-支払った消費税15円=5円
となり、5円が消費税の納税金額になります。

簡易課税の計算方法

簡易課税は、
【預かった消費税-預かった消費税×みなし仕入れ率】
で計算されます。
支払った消費税は一切無視します。

例えば、原則課税と同じ例で、みなし仕入れ率が80%の場合、
預かった消費税20円-預かった消費税20円×80%=4円
となり、簡易課税で計算すると4円が消費税の納税金額になります。
この場合、原則課税の納税金額5円よりも安くなります。

簡易課税のみなし仕入れ率

みなし仕入れ率は、業種により、6つの区分に分かれます。

具体的には、次の表の通りです。

事業区分 業種 みなし仕入れ率
第一種事業 卸売業 90%
第二種事業 小売業 80%
第三種事業 製造業・建設業等 70%
第四種事業 飲食店業等 60%
第五種事業 金融・保険業、サービス業(飲食店業を除く) 50%
第六種事業 不動産業 40%

簡易課税の要件

簡易課税を受けることができる条件は

  • 2年前の課税売上高が5,000万円以下であること
  • 「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していること

の2つです。

2年前の課税売上高が5,000万円以下であること

2年前の課税売上高について、法人の場合は注意が必要です。
法人の場合、2年前が会社設立1期目であれば、1期目の課税売上高を年換算しなければなりません。

例えば、会社設立1期目が8カ月間で、課税売上高が4,000万円の場合は、
4,000万×12カ月/8カ月=6,000万円
となり、5,000万円を超えているので、簡易課税制度を受けることはできません。

個人事業主の場合は、開業1年目であっても年換算しなくても大丈夫です。そのまま1年目の課税売上高の金額で判定してください。

簡易課税制度選択届出書の提出期限

「消費税簡易課税制度選択届出書」は、提出期限に注意しましょう!

  • 開業1年目・設立1期目
    最初の決算日までに提出しなければなりません。
  • 2年目以降
    年度の開始の日の前日までに提出しなければなりません。
    つまり、前年度の決算日までに提出しなければならないということです。

あなたが起業したところであれば、2年目または3年目から消費税の納税義務が出てくるケースが多いと考えます。
その場合、前年度の決算日までに簡易課税にするかどうか決めなければなりません。

簡易課税制度は原則2年間継続しなければならない

簡易課税制度を1度選択すると、原則として2年間は継続しなければなりません。

簡易課税制度をやめようと知る時にも、税務署に届出書を提出しなければなりません。
具体的には、
「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」をやめようとする年度の開始の日の前日までに提出しなければなりません。
こちらも、前年度の決算日が提出期限になります。

簡易課税のメリット

事務負担の大幅な軽減

簡易課税では、支払った消費税を一切無視します。
ですので、売上にかかる消費税だけを管理すればいいです。
簡易課税にすると、大幅に事務負担が軽減できます。

原則課税よりも消費税が安くなる場合がある

これまで見てきたように、原則課税と簡易課税は、計算方法がまったく違います。
ですので、消費税の計算結果も当然ちがうものになります。
結果的に、簡易課税の方が原則課税よりも大幅に安くなることがあります。

簡易課税のデメリット

消費税の還付が受けられない

大きな設備投資をした場合、原則課税では設備投資で支払った消費税を引くことができます。
その結果、原則課税では消費税の還付受けることができる場合があります。

簡易課税は、支払った消費税を一切無視しますので、設備投資で支払った消費税を引くことができません。
簡易課税の場合、計算の仕組み上、消費税の還付は受けることができません。

原則課税よりも消費税が高くなる場合がある

原則課税と簡易課税は、計算方法がまったく違うので、当然消費税の計算結果も変わります。
結果的に、簡易課税の方が原則課税よりも大幅に高くなる場合があります。

原則課税と簡易課税のどちらが有利か

原則課税と簡易課税のどちらが有利かは、ケースバイケースです。
ですので、簡易課税の選択を検討するときは、事前のシミュレーションが必須です。

簡易課税は一度選択すると2年間は継続しなければなりません。
ですので、2年間のシミュレーションが必要になります。

理想は、今後2年間の利益計画をしっかり立てることです。
利益計画に基づいて原則課税と簡易課税で両方計算してみます。
その結果、2年とも簡易課税の方が消費税が安くなれば、簡易課税を選択すると良いでしょう。

利益計画を作るのが難しいであれば、直近の試算表または決算書を使いましょう。
直近の試算表または決算書を使って、原則課税と簡易課税で両方計算してみます。
その結果、2年とも簡易課税の方が消費税が安くなれば、簡易課税を選択すると良いでしょう。
ただし、過去に基づいた判断ですので、売上が大幅に変動するなどの場合は、精度が低いものになってしまします。

最後に、忘れてはいけないのが設備投資です。
設備投資は、消費税の計算に大きな影響を与えます。
ですので、今後2年間に大きな設備投資がある場合は、必ず原則課税の計算に反映させましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

原則課税と簡易課税のどちらが有利かは、ケースバイケースです。

簡易課税を選ぶ場合は、前年度の末日までに届出書を税務署に提出しなければなりません。
ですので、余裕をもってシミュレーションをしておくことが大切です。

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石水 克一

石水 克一

大阪市中央区本町の日本政策金融公庫の創業融資に強い税理士です。 起業家支援に特化した代表税理士が担当者となり、お客様の近くに寄りそって、しっかりと経営サポートをします!
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